連邦軍のベア・キャリア^※の発想のもとにつくられた。同系列のものに重砲型のリックディアスがあるが、火力は格段にすぐれている。
　グリズリーは、主に後方からの支援用として開発されたが、今では小隊単位においてエゥーゴの艦船の不足をも、おぎなうものと考えられている。
　グリズリーが、従来のベア・キャリアと大きく違うところは、キャノンパックであるグリズリー本体が、キャノン砲とブースター部に分離できることにある。このキャノン砲を取りさった時のグリズリーは、驚異的な運動性を示し、リラ・メリー・キャノン大尉機が、その加速力を使ってキャノン砲を敵艦にたたきつけ、一撃のもとに沈めたということもある。この時、ティターンズ側がリックディアスとは別にグリズリーと名づけ、それをそのままエゥーゴが使うかたちとなった。
　これは余談であるが当初このグリズリーは、正式にはリックディアスベアキャリアと呼ばれていたが、パイロット達の間では「プーさんのリックディアス」あるいは、ただたんに「プー」と呼ばれていた（プーは、ぬいぐるみの子ぐまでA・A・ミルンの児童文学の主人公）それは、グリズリー１号機に乗る事になったリラ・メリー大尉が１年戦争での経験もあるという、強者であったにもかかわらず、童顔で背が低かった為に大尉の乗るベア・キャリアを、仲間達が愛称としてそう呼んでいた為である。しかし、同大尉の「一撃」の後、ベア・キャリアが開発計画以上の性能がある事が認められ、グリズリーが正式名称になるとともに、パイロット達もリラ・メリー大尉に敬意を表す意味もふくめて「プー」ではなく「グリズリー」と呼ぶようになった。

Model Graphix 1986年 3月号（vol.17）「Z SCRAMBLE」に掲載

※連邦軍のベア・キャリア
RX-77-3B ガンキャノン ベアキャリア
　RX-77-3重装型のガンキャノンを改良したもので、大型化されたキャノン砲を含むキャノンパックが通称ベアと呼ばれることから、ベア・キャリアと呼ばれる。
Model Graphix 1986年 1月号（vol.15）P103より要約